この運命を奇跡と呼ぶならば。
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桜が目を覚ますと、自分の手を握ったまま寝ている沖田がいた。


「んっ…。総司…」

そう言って沖田を起こさない様に手を離すと起き上がって、土方の元へ向かった。



「土方、入るぞ。」


「桜か…あぁ、入れ。」


土方の返事を聞いて入った部屋では土方と近藤さんが居た。


「桜君、おはよう。」

「近藤さん、おはようございます。昨日は、申し訳ありませんでした。知らず知らずの間に寝てしまって…」


「あぁ。いいんだ。気にしないでくれ。」


桜が昨日の事を謝ると、特に気にした様子もなかったので土方が本題を切り出した。


「桜。お前の処遇だが…」


「副長、私は覚悟は出来ております。」


もちろん、覚悟とは、[追い出される]覚悟だ。
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