この運命を奇跡と呼ぶならば。
「そうだね。でも、桜君。煩い人が居なくなって少しは静かになるね」
「そうだな、でもな、平助も居ないのは寂しいかな。」
桜達は土方達を見送るために外に出ていたので、今は桜も男言葉だ。
「総司、部屋に戻ろう。今日は巡察もないから、ゆっくり出来るな。」
桜がそう言うと、沖田がいきなり桜の腕を掴んだので振り返ると目が子供の様にキラキラと輝いており、それを見た桜は眉を寄せていた。
(なんだか、嫌な予感がするのは、気のせいかしら…?)
「桜君、甘味処に行こう!!」
(あ、当たった…絶対、総司と行くと遅くなるわよね…?)
「い、いいわ、一人で行ってらっしゃい?私は疲れたから部屋に戻るわね。」
そう言って桜は部屋に戻ろうとするのだが、沖田に腕を掴まれているので動けず、そのまま、引きずられる様に連れて行かれた。