この運命を奇跡と呼ぶならば。
「あ、君は…確か…」
「どうしたの?知り合い?」
沖田が尋ねると肯定の様な返事が返って来た。
「いや、知り合い…というか、まぁ、知り合い…なのか?」
「あの、ありがとうございました。あんときは、ほんまに助かりました。」
「いや、あれから、何も無かったか?無事でよかったよ。」
「桜君、どういうこと?」
桜と娘の話に今ひとつついていけていない沖田が尋ねると桜が案内された席に着いて説明し始めた。
「私が、この時代に着いた日に男に斬られそうになってたんだ。だから、思わず助けたんだ。で、斬られそうになってた娘(こ)があの子って訳。」
「ふーん。そうなんだ。あ、注文。
…ぜんざい、くださーい。」
「自分から、聞いたくせに、あんまり興味が無さそうだな。あ、私も注文しようかな。…みたらし団子2本。」
そう言って、注文した品物が来る間に更に話を進めた。
「その時に、総司達が来たんだよ。今、思えば出逢い方は最悪だったな。」