この運命を奇跡と呼ぶならば。


「お礼と言ってはなんですが、今回のお代は入りまへん。ですから、たーんと食べていって下さい。」


「い、いえ。お気持ちだけ頂いておきます。」


「お礼ですから、素直に受け取って下さいな。」


桜は断り続け、店主夫妻はお礼がしたいと言う。そうした押し問答の末、桜が折れた。


「はぁ…では、お言葉に甘えて。」

「桜ちゃ…君。みたらし団子来てるから食べなよ。」

「あぁ、いただきます。」


そう言ってみたらし団子を口に含むと、桜の顔が幸せそうに頬が緩んだ。

「おいひい…」

「桜君って甘い物好きなんだね。」

「もちろん、大好きだよ。あ、そろそろ帰ろう。土方達は居ないけど、山南さんと一に怒られる。」

食べ終わった団子の串を皿の上に置いて二人は甘味処をでた。
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