この運命を奇跡と呼ぶならば。
「桜ちゃん…?ねぇ、寝ちゃったの?」
スースーと寝息が聞こえたので、桜の体を揺さぶるが何の反応も得られず諦め、沖田もゴロンと畳に転がり1人、桜の隣で呟き始めた。
「桜ちゃん…どうして、なんでも押し殺してるの?何を言っても、君の心の中を知る事は出来ないのかな。」
そう言うと、沖田も目を閉じて寝てしまった。
…けれど、寝ていた筈の桜がガバッと身を起こした。
「総司…ごめんね。教えたら、未来に帰りたくなくなるから。」
声が心なしか震えている様な気がしたが桜は気付いていないふりをして、部屋を出た。