この運命を奇跡と呼ぶならば。
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桜はいつもの様に桜の木がある丘に来ていた。だが、何をするわけでもなくただ、ぼーっと木の幹に背中を預けて目を閉じて座っていた。


やがて、目を開くと涙を流し始めた。



「ごめんね…ッ。ご、めん…フッ…わたし…帰るの…だか、らッ…これ…以上…クッ、心のな、かに…入っ…てこ、ないで…」


(あぁ、情けない。春がいたら、なんて言われるかな…)


そう思いながらも、涙は止まらず桜は足を曲げて顔をうずめた。


しばらくすると落ち着いたのか、涙のあとを拭うと空を見上げた。
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