この運命を奇跡と呼ぶならば。
「こちらです。では、私はこれで…」
「ありがとう。土方さん、入りますわよ。」
「いぇ。」
そして、桜は捕まらない様にその場をそそくさと離れた。
「チッ、何よ。気持ち悪い喋り方ね…男の癖に。」
「何、桜君。1人でブツブツ言ってどうしたの?」
そう言って、角を曲がるとちょうど沖田が喋りかけてきた。
「あぁ、総司。…ちょっとな」
「それより、桜君。僕を捜してたんじゃないの?」
「あ、そうだ。でも、なんで知ってるの?」
「さっき、土方さんに会って『桜にお前を追いかけるように言ったんだが、会ったか?』って言ってたから。」
沖田がそう言うと納得した様に頷いた。