この運命を奇跡と呼ぶならば。

沖田がそこまで言うと部屋の外から声がかかった。

「土方さん、俺だ。山崎を連れてきたぜ。」

「入れ。」


土方が外からの声に応えると原田が山崎と共に入ってきて、山崎は桜を早速診始めた。そして、桜の全身に広がった痣を見て眉を顰めた。


「…副長、この痣は?」


「わからん。総司が桜を追いかけて立ち止まったと思うと、いきなり広がっていったんだと。」


土方のその言葉に山崎は沖田の方を見て説明しろ、というような顔をすると沖田が言った言葉にそこにいた者達、全員が顔を歪めた。

「今夜は〝満月〟だからって…」
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