この運命を奇跡と呼ぶならば。
「試験を受ける前に、私はこの服装のままでいいのか?」


桜が疑問に思って聞いて見ると、

「あぁ、そう言えば。その格好じゃ目立つから、総司、袴を貸してやれ。」


「えぇー。なんで僕なんですかぁ~。」


と、土方はすっかり忘れていたようで沖田に貸すように言うと嫌がる沖田。それを見ていた近藤が、

「総司、悪いが貸してやってはくれないか?」

そう言うと、

「はい!わかりましたよ。近藤さんに言われたら断れませんからね。」

と、土方の時とは掌(テノヒラ)を返す様に返事し、


「何でもいいから貸してくれ。」

桜は、もぅ諦めた様に言う。


「じゃあ、着替えて来い。俺たちは先に道場に向っている。」

そう言うと、土方と近藤は出て行ってしまった。


「桜君、僕達も着替えに僕の部屋へいこうか。」


「あぁ。それと、私の事を桜と呼ぶな。今回は知らなかったから見逃してやるが、次に名前で呼べば、その首と胴体を切離してやる。」

「え、うん。」

沖田はなぜそこまで、嫌がるのか気になったが桜の瞳に暗い光があるのを見て、聞くのをやめた。


そうして沖田に着いて行って袴を借りて着ると道場に向かった。(勿論、袴を着るときは沖田に部屋の外へ出てもらったが。)

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