この運命を奇跡と呼ぶならば。
元々霊力が強かった母も、私が力を奪っていたことによって日に日に衰弱していったそうで医師に私達を諦めるように言われていたんですって。
それでも、母は命を賭けて私達を産んだわ。
そして、母は私達を産んで数時間後に命を落とした…
私がこの世に存在しなければ、母の子でなければ母も元気に生きていたかもしれないのにね。
私達は父に引き取られ、育てられたわ。
何一つ、不自由なく。
母を奪った私を恨むことなく愛情を注ぎ、時には叱り、どこにでもいる普通の親のように。
でもね、そんな幸せも、長くは続かなかった。