この運命を奇跡と呼ぶならば。
そうして道場に向うと、土方と近藤が待ち構えていて、
「着替えたか。では、早速入隊試験を行う。木刀と竹刀、選ばせてやる。」
「木刀。その方が面白いからな。折角、試験とはいえ闘う時は、楽しみたいからな。」
木刀を選んだ桜は、口の端に微かな笑(エミ)を浮かべながら言った。
「相手は、総司だったな。俺が審判をするから位置につけ。」
「はぁーい。」「あぁ。」
そういって、桜と沖田が位置について木刀を構えた瞬間、
「はじめ!」
と、声がかかりその瞬間沖田が飛び出すと桜は何もせず立ったまま、微かに笑っているだけ。