この運命を奇跡と呼ぶならば。
「…違うよ。桜ちゃんが、心を僕らに開いてくれたからこそ、心に光を与えられる。頑なに閉じた戸(心)は真っ暗だけど、その戸を開くから光が射すんだよ。」
「ま、俺らが“ありがとう”だな!」
桜は沖田や藤堂のその言葉に首を横に振りこう言った。
「…そんなこと、ないわよ。貴方達がいなければ私は暗闇の中で生きていた。貴方達がその戸(心)を開くきっかけをくれたの。だから、お互い様よ。」
桜の“お互い様”の言葉を聞いてどこか緊張した空気がフッと和らいだ。
「では、皆。そろそろ、稽古に戻れ。」
そして、近藤さんがそう言ってその場は解散となり桜と沖田も自分達の部屋へ戻った。