この運命を奇跡と呼ぶならば。
「桜ちゃん、君は…助けてもらったことを後悔してる?」
「えぇ。…私には、自己治癒力があった。だから、私が刺されれば春が昏睡状態に陥る事もなかった…」
「平助の時と同じだよ。状況は違えど君を助けようとして傷をおった。桜ちゃんは平助に助けてもらったことを後悔してる?」
「違うの…平助に助けてもらったことは後悔してないわ。それに、彼には力を使って傷を癒せた。」
桜は目を伏せている。そして、沖田は桜の言葉に引っ掛かりを覚え桜に尋ねた。
「どういうこと?」
「…力が、使えないの。同じ一族の人間には力が及ばないのよ。」