この運命を奇跡と呼ぶならば。

7.すれ違い

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｢私は反対です!!｣


ある日、桜が稽古に向かう途中会議で使う広間の前を通った時に聞こえて来たその声に桜は足を止めた。



───ﾊﾞﾝｯ


そして、乱暴に開けられた襖から出てきたのは数週間ぶりに見る山南さんだった。



｢あぁ、乙宮くん。｣


｢こんにちは、山南さん。お久しぶりです。｣


｢えぇ、今の話聞いていましたか？｣


｢…最後の方だけ。｣


山南さんは桜を見ると少しやつれた様な顔で穏やかに微笑みながら声をかけた。そして、桜は山南さんに聞かれ正直に答えると、山南さんは苦笑いを浮かべた。


｢情けないですね。私としたことが、少々取り乱してしまいました。｣


｢大丈夫ですよ、少しくらい取り乱しても。｣