この運命を奇跡と呼ぶならば。

土方も辛そうに目を伏せた。


｢なぁ、土方さん。伊東さんにはなんて言うの？｣


しんみりした空気を破る様に藤堂の控え目な声がかかった。


｢そりゃ、ホントの事を言う｢駄目!!｣｣


土方が最後まで言い終える前に桜が遮り、立ち上がっていきなり大きな声を出した桜を皆は目を丸くして見た。


｢さ、桜…どうしたんだ？と、とりあえず、座れよ｣


｢…駄目よ。伊東に本当の事を教えては、絶対イケない。｣


｢桜君、伊東さんの事を呼び捨てにするなんてどうしたんだい？｣