この運命を奇跡と呼ぶならば。
「さぁ、立ってるわけにもいかんだろう。座りなさい。」
と、近藤さんが言うと沖田が、おいで、と呼んでいるので隣に座ると、子犬の様な男が
「こいつ、ほんとに総司を倒したのかよ~。ひょろひょろしてて女みてーじゃん。」
そう言うと、
「平助、それはお前が言えることじゃないだろう。」
「そうだ。見てみろこの俺の素晴らしい筋肉を。」
「そこまでにしろ!お前達、勝手に喋ってるんじゃねぇ!!」
平助と呼ばれた男に、色気男と筋肉男が突っ込むと土方が一喝し、その場はおさまった。そして、近藤さんが桜に処遇を言い渡した。
「では、早速だが君には副長助勤、そして、各隊の補佐をしてもらいたい。君の腕は俺も知っている。だから、組に所属せず色んな組を補助して欲しいんだ。わかるかい?」
「えぇ。私はそれでも構いません。どうせ拒否権は無いんでしょうしね。私が断ったら、処遇が変わるわけでもなさそうですから。」
桜はそれに対し、どうでもいい、諦めた様な皮肉をこめた返事をした。