この運命を奇跡と呼ぶならば。
そう言った山崎は、血で汚れた部屋を見た。
「そうか…。ここもそこまで汚れてはいねぇが、血のついたところは掃除だな。」
「じゃ、俺らが運ぶわ。新八、総司運べ。…俺は桜だな。」
原田はそう言うと桜を抱き上げると山崎と沖田を抱えた永倉を連れて2つ離れた空き部屋へ向かった。
「…わりぃ、山崎。ここを開けてくれるか。」
そう言った原田の目は襖を見ていた。
「あぁ、すみません。今、開けます。」
「助かる。…それと、布団も二人分引いてくれるか?」
山崎は言われた通りに襖を開けて、奥にしまわれた布団を二人分引いた。
「なぁ、佐之。」
「…ん?」