この運命を奇跡と呼ぶならば。


「絶対、起きない。お前達に言われるとそんな気しかしない。」


「ひ、ひでぇ…桜、ひでぇよ…」


あからさまに落ち込む2人を横目で流しながら、桜は原田に近寄った。


「佐之。」


「桜、昨日は大丈夫だったか?」


「あぁ、心配かけて悪かった。」

そう言うと、桜は俯いた。


「…まぁ、元気出せよ。お前には笑顔が似合うって、な?」


原田は桜の頭に手をポンと置くとニカッ、っと笑った。
< 238 / 359 >

この作品をシェア

pagetop