この運命を奇跡と呼ぶならば。
「…死ぬか?!お前っ!」
「副長、お静かに。」
ガタッと音を立てて立ち上がる土方に斎藤は冷静に声をかけるとバツが悪そうに座った。
「…チッ」
「プッ…」
思わず桜が吹き出すと土方が言った。
「笑うんじゃねぇ!!」
「…むっり…ククッ…ハハハッ…ひじ、かった…ださっ…」
お腹をかかえて笑ってる桜は何か思い出したのか立ち上がるとふすまを開けてスゥっと息を吸った。
「─────…梅の花ぁっ、一輪咲いても、梅は梅ぇ!!」
「…おまっ、やめっ!」
「いやよ、やめろと言われてやめる私じゃないものっ」
そういった瞬間部屋を飛び出し、思いっきり駆け始めた。