この運命を奇跡と呼ぶならば。


「おいっ!待てっ!!」


「お断り!!待てと言われて待つ人なんていないだろ?」

そう言いながらケラケラと笑いながら角を曲った瞬間、きゃぁ、と桜の小さな悲鳴が上がった。


「…った…」

「桜ちゃん?!ごめん、大丈夫?」


桜は差し出された相手の手を掴んで立ち上がった。


「大丈夫、ありがと…「何が大丈夫だって?」」


「うわっ!!土方!」

お礼を言いかけた桜の言葉を遮り、黒いオーラを放ちながら土方は言った。


「…桜、お前は後で副長室まで来い。」


「桜ちゃん何したの?」


「総司、助けてよ!!土方が私を追いかけ回すんだ!!」

桜はそう言って沖田の後ろに回り込み、土方にベーっと舌を出した。

「土方さん、遂に変態に…」


「違う!」


「…桜ちゃん、広間に行こうか。鬼方さんなんて放って置いて。」

「そうだね、行こう。鬼方なんか放って置いて。」

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