この運命を奇跡と呼ぶならば。
「ちょっ…やめろよ!!」
「お断り。」
沖田がニヤッと笑うと、藤堂は頭を抱えるようにして絶望的な様子を見せている。
「…終った…。俺…死んだも同然だ……」
「総司、平助。そろそろ着くぞ。」
桜の視線の先には屯所がすぐそこまで見えている。
「楽しみだねぇ…」
「あ、あぁ……」
黒い笑みを浮かべている沖田とは対照に藤堂はの周りはますます暗くなっていく。
「あ、あれ。伊東さんじゃない?」
「…ホントだ。」
すると、門の前に伊東が立っておりそれを目敏く見つけた沖田が声をあげた。