この運命を奇跡と呼ぶならば。
「どういうこと。」
今度は少し怒気を含んだ、そしてそれを押さえ込むような低い声で沖田は尋ねる。
「桜は未来人だから、俺らの事わかるだろ。って言ったら引っぱたかれて顔上げたら泣いてて、ごめんって言ったけど聞こえたか…」
「…平助、桜ちゃんに“仲間”だって言ったんでしょ。彼女の気持ち考えてみなよ。」
「っ…俺さ、桜に嫉妬してて。俺の方が昔から皆といるのに桜ばっか、構ってもらってように感じて。」
藤堂も今、気付いたわけでも、むしろ彼女の気持ちをよく分かっているからこそ辛いようだった。
「ごめん。とりあえず…捜そうか。 」
藤堂の気持ちを知った沖田は小さく謝ると気まずそうに言った。