この運命を奇跡と呼ぶならば。

離隊

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その頃、藤堂に連れられ部屋を出た桜は自らの部屋に連れてこられていた。

「ねぇ、平助?総司は大丈夫なのよね?」

「あぁ、大丈夫だ。」

心配そうな声音の桜を安心させるようににこりと笑いかけると藤堂も桜の向かい側に座った。

「そうよね。咳の音も聞こえなかったし。」

「だから、安心しろ。」

藤堂のことばに桜もようやく笑顔を見せた。

「…しっかし、お前ってすっごい鈍感だったとか。俺、しんじらんねぇや。」


「は?私が鈍感?自分のことくらいわかってるわよ。」

なんのことかと思案するように首を傾げて藤堂を見た。

「桜、自分の容姿どう思ってる?」

「どうって…その辺の人と変わりないくらいの平凡で普通の女…って所かしら。」

「あぁぁぁぁ…こりゃダメだ。」

「なによ…。」

「いや、もういいや。…それより」



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