この運命を奇跡と呼ぶならば。
「さ、くら…君はそれをいつから考えて…?」
「考えるも何も、私はずっと帰るつもりよ。ここは、私のいるべき場所じゃないの。…私は、愛しいものを全て投げ打ってでも春の為に未来へ帰る必要があるの。春には…っ、私しか居ないのよ!!」
沖田は顔を歪めながら必死に言う桜を呆然と見つめる。
「どうして。…君のお兄さんには君しか居ないように、僕らにだって君は必要だっ!」
「ごめん、そろそろ帰りましょ。」
今にも泣きそうな沖田に桜はそれだけ言うと沖田の隣をすり抜けた。
沖田の瞳は沈んでいたがハッと気が付くと桜を急いで追いかけた。
「待って!!桜ち…ゴホッ、ゴホッ!血が、っ…げほっげほっ…」
「総司っ!!」