この運命を奇跡と呼ぶならば。
9.油小路事件

想いと思い

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それから新選組はいつもと変わりない日々を送っていた。

今は皆が広間に集まり昼餉をとっていた。だが、いつも以上にうるさい昼餉だった。


｢お前らほんとに恋仲じゃねえのか？二人で出かけてたのは知ってたが、手まで繋いで帰ってくるなんてよぉ～｣

｢なぁ、佐之もそう思うよな。お前らいい加減認めろよ。｣

あの日、二人が屯所へ帰ると巡察を終えた原田と永倉と鉢合わせしその時手を繋いでおり、それを見られずっといじられているのである。

｢二人ともしつこいよ。僕らの間には何もなかった。ね？｣

｢えぇ。そうよ、貴方達こそいい加減にして。｣

毎日毎日、顔を合わせる度に顔をニヤつかせるので沖田と桜はウンザリとしていた。

｢はは、総司。二人で仲良くするのはいいことじゃないか。｣

｢近藤さんまで…。ほんとに何もないんです。｣

問題は近藤だった。近藤は永倉や原田のようにからかっているのではなく心からの言葉であるため、桜はもちろん、近藤を親のように慕っている沖田も正直困っていた。

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