この運命を奇跡と呼ぶならば。
原田と永倉のバカバカしいやり取りに不満を感じたのか土方は不機嫌そうに二人の後ろに立った。
「はは、そうだな!歳はお袋のようだしな!」
「近藤さんまで!!俺は、お袋のようでも、お袋でもないんですよ。」
「近藤さんの言う通りですよ。過保護だし、煩いし。口うるさい母親そのものじゃないですか。」
「総司!そしたら、てめぇは手のかかる子どもだな!」
「あ、土方さん認めるんですね~。」
沖田が土方をからかい、そして土方はからかいに乗ってしまう、といういつもと変わらないその様子を桜はポカンと見つめていて、原田が桜にすっと近づいて頭の上に腕を乗せた。
「お前の本当の兄貴には適わないかもしれねぇけどよ。血の繋がりがなくたって俺らは家族だろ?」
「いつだって俺らはお前の味方だ。酷いことも言っちまうこともあるけどよ。」
永倉は照れたように頭を掻きながら、原田はニシシッと笑いながら言った。
「…にぃさん。」
「っ…。」
「さ、さきゅ…桜。」