この運命を奇跡と呼ぶならば。
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その数日後、桜が道場に行こうと廊下を歩いていた時だった。
少し先の方から誰かが大きな声を出していて、離れた位置にいる桜にも途切れ途切れ聞こえてくる。

「…と…に…んもの…いと…か?!」

「この声は…」

桜は声の主をほぼ確信しながらそちらの方に早足で向かった。

「だから、そうだと言っているだろう。」

「けどよ!御陵衛士と新選組は接触しちゃいけねぇんだろ?!」

そしてその場についた桜はやっぱりかと自分の予想が当たっていたことにため息がこぼれそうだった。

「一、おかえりなさい。少し落ち着いて、新八。声が大きいわ。」

「でもよ、これが落ち着いてられっか?!なんでここを出て行った斉藤がここに居るんだよ!!」

「落ち着きなさい、説明はそれからよ。とりあえず土方のところに行きましょう。」

驚きのあまり落ち着きを失っている永倉を諌め桜は斉藤を連れて土方の部屋に向かった。

が、中には誰も居らず眉を顰めているとそこにまた煩いのがやって来た。


「あれ?桜に新八、それに斉藤まで何やってんだ?…って斉藤?!なんでお前がここにいんだよ!」
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