この運命を奇跡と呼ぶならば。
「なんだか俺らの知らないところで大人になって行くんだな。いや、俺らは別にあいつのなんでもないけどよ。こう…なんだろうな…」
「寂しいな。」
言葉が見つからなくて詰まっている永倉に原田がその思いを口にすると永倉は軽く笑って頷いた。
そして、タイミングよく向こうから土方を連れて桜が戻って来た。すると、二人の顔を見て不思議そうな顔をしながら首を傾げ二人に訊ねた。
「ねぇ、二人ともどうして笑ってるの?」
「いや、なんでもねぇよ。」
そんな二人をみてますます不思議そうな顔をしていると土方が部屋へと招き入れ、そのときこっそり斉藤が桜に耳打ちする。
「あいつらはお前が成長していくのが寂しのだと、そう言っていた。」
そして、大きく目を見開いて斉藤を見た。そして何か言いかけたが原田が部屋の入り口に立っている二人に声をかけた。
「おい、斉藤も桜も突っ立ってねぇで座れよ。本題はこれからだろ。」