この運命を奇跡と呼ぶならば。
「あぁ、そうだな。」
斉藤も頷くと原田の隣に腰を落ち着けた。そして、急かす様に永倉が単刀直入に問う。
「んで、土方さん。これはどういうことなんだ。」
「まず、斉藤には御陵衛士に間者として潜入させていた。で、この数日間の間に帰ってくる予定だった。そして、今日帰って来たわけだ。」
土方がそう言うと永倉も原田も良くわからないと言った表情でそこですかさず桜が付け足す。
「実は伊東が近藤さんの暗殺を目論んでる可能性があったの。だから、私が一を間者として潜入させたらって提案したのよ。」
「それならそれでなんで俺らに言わなかったんだよ。」
「敵を騙すには味方からって言うでしょ。それに、近藤さんの暗殺計画なんて総司に知れたらどうなるかくらい貴方達にも想像はつくでしょう。だから知ってる人は最少人数に抑えたかったの。」
不満そうな永倉にそう言うとやはり納得はいかなさそうだが桜の言葉を聞き頷く。
「まぁ…そうだよな…。」