この運命を奇跡と呼ぶならば。
原田はそう言ってにやりと笑うと斎藤の腕をがしっと掴み体を桜の方に向ける。
「お、おい!」
「一…?」
そうして、桜が斎藤の顔を覗き込むと長い髪の間から見えた顔は赤く染まっていた。
「照れてるの?」
「っ…もういいだろう!離せ!」
いつもの冷静な斎藤とは思えない位動揺した斎藤に桜のスイッチが入る。
「うふふ、一こっち向いて。」
「なん、だ…」
斎藤が振り返った瞬間、チュッとリップ音がしたかと思うと桜が背伸びをして斎藤の頬にキスをしていた。
「ビックリした?」
桜はなんでもないようにニコニコ笑っているがキスされた斎藤はもちろん、それを見ていた原田や永倉も目を見張ったまま動かない。
「おーい?ねぇ、おーい。」
桜が目の前で手を振ると一歩後ろにず、と下がったかと思うとものすごい勢いでざざーーーっと下がり、それを見た永倉と原田は腹を抱えて笑い始めた。
「さいとーーーー!!!!」
「ハッハハハハ、フハハハハッ」
「何がおかしいのよ。」