この運命を奇跡と呼ぶならば。
「おのれ…よくも…!!」
「…俺を殺すか?」
そう言って、桜は駆けつけた御陵衛士の隊士に向かって鼻で笑う。
「くそっ…舐めるなよ!!伊東さんの仇!!」
「お前に俺は殺せないよ。」
更に顔を赤くして憤っている男達を桜はどんどん煽っていき、余裕のある表情と言葉を口にする。
その言葉にとうとう男達は桜に一斉に襲いかかる。
「…ちょろいな。」
だが、そんなことでは桜は倒せない。圧倒的な強さを見せつけながら男達を蹴散らしていく。
そんな中で桜は必死に藤堂の姿を捜していた。
「…平助っ!何処?!」
そして、桜は漸く藤堂らしき人影を見つけ駆け寄る。
「平助!!」
「…桜?」
「平助、行くぞ!!」
「はっ?!…なっ、ちょっ…」
まだ、状況を把握しきれていない藤堂を桜は強引に連れ出そうと腕を掴み走り出す。
「桜、どうしたんだよ?!」
そのまま引きずられる様に細い路地に入ると藤堂が混乱したままの頭を使って必死に桜に問いかける。