この運命を奇跡と呼ぶならば。
「…ッ。」
桜が隊士達を睨みつけ怒鳴ればただならぬ様子の桜に隊士達はたじろき、動きを止める。そして、桜から恐ろしい程の殺気と怒りを感じると腰を抜かしてしまう。
「…ひぃっ…。」
「何をしている!早く戻れ!!!そこで腰を抜かしている場合か!」
「は、はいっ!」
桜が最後にもう一押しすればすぐに立ち上がり、落とした刀を拾い上げて我先にと戻って行った。
そして、腕の中の藤堂に目をやるとおびただしいほどの血を流していた。
「平助!しっかりして。」
「さ…くら…。へへっ。」
「なんで、笑って…。ちょっと待ってね。今から治してあげるから。」
そう言って藤堂の傷口に手をかざせば、その手を握られ桜が藤堂を見つめると柔らかく笑いながら首を横に振る。
「どうして…お願いよ…。」
「おま、えが…この……い、たみを…受け…るの、は…」
「そんなことはいいから!!それでも私は死んだりしないの!平助!」