この運命を奇跡と呼ぶならば。


「失礼しますぅ。桜はんの支度に時間が掛かります故(ゆえ)、他の女の子を連れて来ました。桜はんが来るまでもう少々お待ち下さぃ。」

「桜はんの変わりに来ました。翠珠と言います。桜はんが来るまでよろしゅうお願いします…」

翠珠こと桜が部屋へ入り挨拶をすると幹部の皆は芸子に扮(ふん)した桜を口を開けじっと見つめていた。



「あ、あの…ウチの顔に何か付いてます?






…そ、それとも!ウチが余りに不細工でひいていらっしゃるんどすね…お百合姐さん…やっぱりウチは駄目どす…他の方を、連れておくんなし…」
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