この運命を奇跡と呼ぶならば。
「矛盾だらけだね。」
沖田はただそれだけ言って微笑むと桜へあるものを投げて部屋を出ていった。
「あ、これ…」
沖田が投げたあるものと言うのは背中に[誠]の文字が書かれた隊服だった。
(ありがと…総司。)
…沖田のさり気ない優しさに胸の高鳴りを覚えたのは桜だけの秘密です。
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「ほんま、嫌やわぁ。はよ、出ていってくれへんかな。」
「せやねぇ、あんなんただの幕府公認の人斬り集団やさかい。物騒やわ。」
沖田と巡察へ出た桜は町へ行くと人々達からの視線を感じていた。それも、けして好意的な物でもなかったが。