この運命を奇跡と呼ぶならば。
「へぇー。」
そう返事をして興味を失った様に立ち上がり部屋を出て行こうとする沖田に桜が声を掛けた。
「どこ行くんだ?」
「稽古だよ。サボってると鬼の副長に怒られるからね~」
「ふーん。じゃあ、私も行く。体が鈍(なま)ると困るからな。」
「じゃ、僕と試合しようよ。」
沖田がそう言うと顔を顰(しか)めたもののすぐに思い直してそれを受け入れることにした。
「ん。わかった。ただし、本気でかかってこい。試験の時お前、手加減しただろう。」
「あ、バレてた?…ま、言われなくても本気で行くよ。でも、君も本気でね♪」