大切なもの
皆の恋
――4月――
私たちは2年生になった。
今年は友里とクラスが離れてしまった。
でも、橘とはまた同じクラスだった。
席について、後ろのせきの千加と話していた。
ガラッ
突然開いた後ろのドアに皆目を向ける。
理由は皆前から入ってきたし、前は開いていたから、気にもしていなかった。
その姿を見て私は驚いた。
「心………亜……………?」
「恋華………」
心亜と同じ高校だったなんて気付きもしなかった。
しかも、仲悪くなって一緒に話さないまま卒業したから…………
心亜は気づいていたかな?
「心亜…まだうちのこと嫌い?」
ずっと避けられていた中学時代。
「嫌いじゃないよ。ずっと、前みたいに戻りたかった。同じ高校だったからまた仲良くできるかなって思ったんだけど…なかなかね………」
同じ高校だったこと気づいていたんだ。
「じゃぁ、前みたいに仲良くしようか。」
「うん。ありがとう♪」