大切なもの
「何。」
冷たくそう言う。
「俺と一緒になってやだった?」
なんでそんなこと聞くのよ!!
「別に。」
また冷たく言う。
「ホントはやなんだろ。やなら正直にやだって言えよ!!」
「いやじゃなかったよ。烈に恋愛感情はないけど………友達としては好きだよ…………。」
「そうか………ならよかった…」
そう言って烈は薄い笑みを浮かべた。
そのまま私たちはまた無言のまま森を出た。
森を出ると、拓夢がニッと笑ってくれた。
私は一気に安心した。
次は拓夢と友里の番。
友里のことだから、何もないと思う。
私は拓夢と友里が森から出てくるまで心亜と話をしていた。
心亜と話をしていると和泉さんが私たちのほうへ近づいてきた。
「恋華ちゃん。もしかして拓夢先輩、友里に何か吹き込まれてるかもよ!?」
和泉さんが冗談半分で言った。