大切なもの
「あの、金子くん。」
この長い沈黙を終わらせたのは明日香だった。
「あたし、彼氏がいるから……付き合うのは無理かな。ごめんね;;」
「やっぱいるよな。彼氏。」
「でも、友達だよ?」
「ああ。じゃあ明日。」
勢いよくでてきた彼と目があう。
彼は溢れている涙を無理矢理拭いて走っていった。
その後、ゆっくりと教室からでてきた明日香と目があう。
「ごめん……聞くつもりはなかったんだけど。」
「いいよ。」
一言言って歩き出す。
それをあたしはついていく。