大切なもの
その翌日。
明日香は学校にはこなかった。
烈は、
「蓮があんなフリ方してごめん。」
と言っていたけど、
「烈が悪いんじゃないし。」
烈は だな… と言うと教室へ戻った。
蓮がそこまで悪いとも、思っていない。
明日香もそうだと思う。
明日香も蓮も烈も皆悪くない。
プルルルル プルルルル
明日香に電話をかける。
でも、何度かけてもでない。
「はい。もしもし。」
出た!!
「もしもし?明日香?大丈夫?」
「大丈夫って何が?」
思いっきりとぼけてる。
でも、もしかして真面目に分からないとか!?
「何が?じゃなくてー…。今日学校休んだでしょ!?」
「ああ。うん。大丈夫!!」
よし!!やっと通じた。
「精神的には?」
「……………………」
沈黙。
やばい。うち変なこと聞いちゃったか?
「あっ!!ごめん。」
と言い終わる前に明日香が
「昨日よりは大丈夫!!」
「そっか…」
最後に明日は学校来いよ!!
とだけ言って電話をきった。
明日香の状態を声だけで判断すると…
昨日よりはよくなったと思うけど、やっぱりまだいつもの様子ではない。
結構暗い。
明日になれば良くなるかもしれない。
翌日。
明日香はちゃんと学校にきた。