バッドエンドの終わり方
過去、そして今。
家に帰ると、玄関には珍しく男物の靴があった。
「帰ってきてたんだ。お父さん」
リビングに行くと、そこには滅多に帰ってこない父の姿があった。
正直にいうとあたしはお父さんの事が、すきではない。
2年前、こっちに引越すことになった理由も実際はお父さんの勝手な事情だし、家のことだって全てお母さんにまかせてる。
お母さんは
「それがあの人なりの愛情表現なのよ、お父さん、ちょっと不器用なとこあるから」
とか言ってるけど、そんなのお母さんの心が広いだけであってあたしはそんなに大人びた心はもってない。
そんな父があたしのことなんて眼中に入ってるわけが無くて…
今話しかけたのも、一体何カ月ぶりだろう、と思うくらいだ。