バッドエンドの終わり方


2年前、お父さんは突然あたしに言った。





「この街を離れる。」





正直、信じられなかった。


15年間も暮らしてきたこの街を急に離れるなんて、そんなの、きっと冗談だって思った。


でも、現実はそんなにあまくはなくて。


その現実を受け止められなかったあたしは、あの頃、ひたすらに父を恨んでいた。


この街を離れることは前から決まっていたらしく、父の仕事の事情ということもあとでお母さんから聞いた。





でも…



それなら、



少しは相談して欲しかった。






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