バッドエンドの終わり方
家を出て数分。
行く場所も特にないあたしは近くの海にまで来ていた。
日はもう落ちかけていて、海に夕日が反射していてすごく眩しい。
あたしは、自分の中で一番気に入っている場所の堤防に昇って座る。
「綺麗・・・・」
ここの海は好きだ。
いつ見ても綺麗だしすごく落ち着く。
それに、
あの街にあった海にそっくり。
あの街に住んでた頃はよく家の近くの海で二人で遊んだ。
『君もここの海、好きなの?』
不意に、後ろから声が聞こえた。
後ろを振り向くとそこにはあたしと同い年くらいの男の人が立っていた。
いきなり声をかけられたことには驚いたけど、なぜだか、悪い気はしなかった。
「好きです
ここに来る時だけは、今まであった嫌なこと、全部忘れられる気がするんです。」