バッドエンドの終わり方
佐倉佳歩
「あ、ありがとうございます。」
あたしは見慣れない制服姿の優叶の手を取り立ち上がった。
ネクタイの色が緑色ってことは、3年生だよね。
ってことは、あたしの一個上。
よく見てみれば確かに背も高いし、何より大人っぽい。
「なんでいきなり敬語だよ
っつーか、同じ学校とか今知った」
そしてフッと笑った優叶の後ろから、いきなり黄色い歓声が聞こえた。
「キャーッ!九条くんが笑ったわっ!」
「王子っ!!」
はじめからいたのだろうか、後ろで優叶の追っかけ隊のような女子達の声がすごく聞こえる。