落ちこぼれプリンセス

まさみは見た目も頭も性格も良い、私の自慢の親友だもの、モテないはずないよね!
そう思っていたら、また心を読まれてしまった。
「同性にモテたってしょうがないじゃない…。」
ため息まじりに呟くまさみ。
彼女には、ずっと片思いをしている人がいる。話してはくれても、その手のことでからかわれるのを嫌うので、あの人のことだな、と分かっても口には出さずにニヤニヤしていたら、案の定考えていたことに気づかれた。
ムッとして横を向いたまさみの頬がほんのり赤かったから、読まれたことは帳消しと勝手に決めた。

そういえば、と前置きして
「もう、クラスの子たちの名前を覚えているんだね。」
と言ったら、
「あたり前でしょ!私たちは、一日も早くここに馴染まなければならないのよ!」
その為なら、どんな努力だってするわと、暗に私にさっさとクラスメイトの名前を覚えて、馴染む努力をしろと言っている。
あぁ、あっという間に反撃された~。と凹んでいると、トントンと、ドアをノックする音がする。

はーいと言ってまさみが出ると、先程話していた子たちが揃って立っていた。
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