落ちこぼれプリンセス
アルジアにいた頃から、私は社交界が苦手だった。
いつでも壁の華で、よく知った人でなければ話そうともしてこなかった。
そんなことだから、人付き合いが上手くなるはずもなく、魔力を使えないことも手伝って、私はどんどんと内気になっていった。
そして、私は今、乗り越えなければならない壁に直面している。
勇気をだして話し出した。
「私、凄く人見知りで、人と話すのが苦手、なんです。だから、皆さんが嫌とかじゃなくて、あの、とても、緊張してしまって、ですね。えぇっと…。」
なんだかしどろもどろになってしまった。
自分の会話能力の低さに嫌気がさして、うわぁぁぁ!!!と頭をかきむしりたいのをぐっと堪えていると、ドアの方からクスクスと笑う声がした。
笑うことないじゃない!頑張っていたんだから!
膨れっ面でまさみを睨んだけれど、軽く無視されてしまった。
「お茶が入ったから、お菓子、いただいても良い?」
お菓子という言葉に、自分の表情が変わるのを感じてしまった。