落ちこぼれプリンセス

そんな私を見て、まさみはまたクスッと笑ったけれど、彼女たちはその事に気づかなかったみたいだ。

全員にお茶が行き渡ると、やっとお茶会が始まった。

「私が持ってきたのは地元の銘菓。結構有名なのよ。」
「これね、CAやっている従姉妹に送ってもらった、パリのお土産なの。」
「私は、お母さんが最近アイシングクッキー作りにハマってて、また大量に送ってきたから…。」
「なんか、みんなの後だと出しにくいんだけど…。私は普通のチョコの詰め合わせパック。」

うわぁ!どれも美味しそう!どうしよう、どれから頂こう?と悩んでいたら、まさみが
「このクッキー、頂いても良い?」と言ってくれたので私も!と便乗した。
色々な形と色もカラフルで可愛いなぁ♪食べちゃうのが勿体ないくらい。でも、ふわっと香る美味しそうな匂いには勝てず、動物の形のクッキーを頭からパクり!……………美味し~~~い!こっちの世界ってご飯も美味しいけど、お菓子も美味しいんだ!
まさみが急に、「ごめんね。」と謝った。みんなが?となったら、
「るみなって、凄く人見知りだから、全然話さなかったでしょう?」
あ!さっき自分でも言ったことを改めて人に言われるとムカつく!
美味しいお菓子で緩んでいた私の顔がまた、自然と険しくなる。

「でもね、」
まさみは意味ありげにそこで一度切り、ニヤリと笑った。
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