落ちこぼれプリンセス
「表情は物凄ーくおしゃべりだから、よく顔を見てあげて。」
そぅなんだー!と、みんなが一斉に私を見るから、一気に顔が赤くなるのがわかった。
まさみはさらに、自分の隣に座っていたたまきさんに、こそこそと耳打ちする。すると、たまきさんが、
「るみなちゃん、ここのマカロンもとっても美味しいから食べてみて!」
カラフルなコロンとしたお菓子をすすめてきた。
まさみの耳打ちの後だから、何かありそうだけど、可愛い色と形の誘惑に勝てず、ピンク色の物をつまんだ。

さっくりとした食感、でもすぐにしゅわっと口のなかで溶け、柔らかな甘酸っぱさが広がる。
お、お~い~し~い~!!!

あっという間に一つ食べてしまい、幸せな余韻を楽しんでいると、視線を感じた。

みんな見てる。
「えっと、何?」
少し表情を固くして聞いたら、みんなが一斉に吹き出した。

えっ、何?何なの?
「るみなちゃん、マカロン美味しかったんだね。」
戸惑いながらも頷く。
「これも!これも食べてみて!」
かなえさんが、先程のマカロンに比べるとやや地味な、四角いお菓子を差し出す。
薄い包み紙から取り出すと、しっとりと、大きさのわりに重い気がする。中は特に何もなく、甘い豆を固めて四角くしただけのよう。でも、
!!これもおいし~い!優し~い味で、癒される~。

うっとりと咀嚼していたら、急に抱きつかれた。
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