落ちこぼれプリンセス
彼女たちが帰ると、まさみは直ぐにシールドを張った。
そして振り返り言う。
「立場的に、人見知りで~とか本当は言っていられないんだからね。ここで少しずつ克服していくよ!」
「はい…」
「わかったら、今度は浮遊の訓練ね。」
「はい…」
返事をしながら、さっきみんなに言われたことを思い出していた。
『姉妹みたいよね。』
持って生まれたのんびりなところと、成長するにつれ大きくなっていった劣等感から、どんどん引っ込み思案になった私を、まさみはいつでも引っ張ってくれた。
どんなに悪口を言われても、自分の信念を貫く彼女の姿は私にとって憧れだった。
見た目も中身も、私と並べば、まさみが姉と言われるのは当然で。
これから先もずっとそうなのかな?
まさみがいなかったら、私はもっと落ちこぼれていたんじゃないかな。
気持ちがぐっとネガティブに傾くと、私の周りに吹いていた弱い風がピタッと止まってしまった。ため息をついて椅子に座った。
あぁ、また失敗…。でも、こうやって風を起こせるようになってきたんだから、私だって成長してるよね!
「るみな!」