落ちこぼれプリンセス

「大きな戦争に発展するかもしれないことは、お前も知っているね?」

「はい。お父様。」
そう返事をしたけれど、今までは実感がなかった。
でもお父様の口から聞くと、本当なんだとやっと身に染みた気がする。

「ここは中央国家であるが、例外ではない。他の大国から圧力を受けている。
アルジアが政の中心になった時、不可侵条約を結んだが、それを反古にして大国同士で手を組み攻めて来られたら、いくらアルジアでも“全くの無傷”という訳にはいかないであろう。」

歴史も政治も疎い私は、『そんな条約があったんだ。それにしても、お父様やお母様のように超強力な魔力を持った人がゴロゴロいるのに、無傷では済まないなんて!恐っ!』なんて、まだまだ他人事のように考えていた。

「それがあなたにとってどんな危険をもたらすか、分かりますね?」
それまで黙っていたお母様が口を開いた。

私はやっと、自分の立場を理解した。
有事の際には、力のない私が真っ先に標的になる。
誘拐され、取引の材料にされるか、見せしめに殺されるか。
狙い撃ちされるのは間違いない。

「最悪な事態を避けるため、お前を日本に行かせる事にした。」

!!!???
日本テドコデスカ?
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