相容れない二人の恋の行方は

18 感動の再会、と思いきや

 自室にて。
 新谷はバルコニーのある窓際にもたれかかり、私は出入り口付近に立って会話をする。
 一通り説明をし終えた頃、新谷表情はかなり険しいものになっていた。いや、話の途中ですでに険しい表情になっていて、途中から声は震え、今は正直かなりびびっている。

「……で? 深夜に、そのわけわかんない男に会いに行こうとしていたってわけ?」
「そ、そういうわけじゃなくて。ただ、気が動転して部屋を飛び出して……だ、だって、あなたの知り合いなんでしょう? 私を思い出したきっかけがあなただったみたいだし……」
「ボクの知り合いだとかそういう話はどうでもいい」
「どうでもいいって……」
「だいたい誰なんだよ、ソイツ。名前は?」
「し、知りません……ひぃっ」

 鋭い視線が突き刺さって後ずさると背中に冷たい壁の感触。久々のこの感じ……完全に怒っている。なんで? どうして!? ただ、私の自宅の隣に引っ越してきたお兄さんが新谷の昔のお友達かもしれないのだと教えてあげただけなのに……!

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